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Photo-3 Experimintal on land
圧縮空気を陸上から供給する必要がない。
4.陸上実験および実証試験
開発したプロトタイプロボットの動作を確認するために、工場における陸上実験および実際の発電所取水管において実証試験を行った。
4―1 陸上実験
陸上実験では直径3m、長さ5mの無塗装鋼管を準備して装置の動作確認を行った。ただし、本ロボットは水中ではロボットの浮力によってロボットを管の中心にセットするが、陸上では浮力が得られないために、エアーシリンダーを用いてロボットを押し上げ管の中心にセットして行った。この時の状況をPhoto−3に示す。
陸上実験では予定していたロボットの各動作が確実に行えることを確認した。
4−2 実証試験
開発した管内水中清掃装置か実際に水中で付着生物を除去できるかどうか、およびロボットの操作性、改良点を確認するために、九州電力株式会社相浦発電所1号機取水管にて実証試験を行った。実証試験の様子をPhoto-4に示す。
(1)取水管の概要
相浦発電所1号機取水管の概要は以下の通りである。
・管径:3,200mm
・管長:約60m
・水深:2.9〜9.6m
・その他:塩素注入管、電気防食用陽極無し
(2)管内の付着状況
清掃前の管内の付着状況を潜水士により確認を

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Photo-4 Actual experimental
行ったところ、管内全周にわたってフジツボが20mm〜30mmの付着が確認された。清掃前の管内の付着状況をPhoto-5に示す。
(3)実証試験結果
今回の実証試験では、清掃速度を95?/hrおよび145?/hrの2ケースに設定して行った。その結果、145?/hrの清掃速度においても問題なく清掃できることが確認された。また、清掃中は1人の潜水士が装置を監視した。この結果、従来では3人の潜水士が同時に清掃して平均60?/hrの清掃速度であるのに対し、本ロボットを用いることにより潜水土1人で1.5倍以上の効果が期待できることが確認された。
清掃後の管内の状況をPhoto-6に示す。写真中黒い部分は管の塗装面である。この写真より清掃部分において部分的に付着物の取り残しがあるが、この厚さは5〜10mm程度であった。これは、今回が初めての実証試験であり、カッターによって管の塗装を傷つけないようにするために、使用した除去カッターのクリアランスを大きくしたためである。このクリアランスについては、今後とも実証試験を重ねていきながら改良していかなければならないと考えている。
(4)除去ヘッドのバネ変位
Fig.2およびFig.3は清掃時における除去ヘッド部のバネ変位のデータを示したものである。図中、横軸はサンプリング個数を示している。除去ヘッドの駆動モータの近傍にセンサーが取り付けられており、ときどき大きなノイズを拾っているか、設定値である85mmの周辺で変動しており、今回の簡単な比例制御でもまずまずの精度が得られている。しかしながら、今後清掃速度の高速化に対応させるためにも、ノイズの影響を考慮したさらに変動を抑制で

 

 

 

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